太平洋のメキシコ海岸沖で事故で死亡した2人の水夫を水葬にした。
死体は錘をつけた袋に包んで海に沈められた。
翌日の夕暮れ、船尾から10mほど後ろに人間の顔が2つ浮かんでいるのを
当直の航海士と水夫が発見した。すぐに船長が呼ばれ船長もそれを確認した。
次第にあたりは暗くなり、闇にまぎれて顔は見えなくなった。
その翌日も同じ時刻に同じ様に顔は現れ、今度は乗組員のほとんどが目撃した。
その顔は確かに死んだ2人に似ているようだった。
3日目には船はパナマ運河を通過し、メキシコ湾に入った。
が、しかしその日の夕暮れには現れることはなかった。
目的地のニューオリンズに着くと、船長は事の次第を綴った報告書を提出した。
当然、大方の人からは疑いの目で見られた。
そしてなんとウォータータウン号は次の航海でも例の2つの顔に付きまとわれた。
現れるのは決まって夕暮れ時だった。
その時は船長がカメラを持ってきており、写真を6枚撮るのに成功した。
ニューオリンズに戻ってさっそく写真を現像したが
たしかに顔らしきものは映っていたものの
懐疑的な人を納得させられる程のものではなかったという。