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鍋かき田ナビカキマス(波照間島の昔話)

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昔、波照間島には人頭税という重い税金を納める義務があった。

男は米や穀物、女は織物を上納しなければならず、それはもはや体力の限界を越えていた。
そこでヤグ村のアカマリという男は、ひそかに村人を集め、島を脱出し逃亡しようと相談を持ち掛けた。
船着き場には米俵や御用布を積荷し終わった船が碇泊していた。役人や船員は島に上陸して、村で酒を飲んで酔いつぶれていた。
そこで村人たちは夜半、その船をのっとって、どこか住みよい島をめざして出航しようと決心した。

ところが、いざというときに、 一人の婦人が鍋を忘れて、それを取りに村へ引っ返した。
いくら待ってもその婦人は来ないので、夜明け近くにヤグ村の人たちを乗せた船は出港してしまった。
例の婦人はちょうどそのとき鍋を持ってかけてきたが、船は遠ざかっていくばかりであった。
彼女が落胆し大声で泣いた場所は、田んぼの側であったところから、その日のことをナビカキマスと呼ぶようになったという。

出典:日本の伝説2 沖縄の伝説

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