241: 本当にあった怖い名無し 2013/07/27(土) NY:AN:NY.AN ID:k2/24KgN0
昔スピリチュアル系の先駆け的なElfinって雑誌があって
そこで「マブイ」ってのが紹介されてたものを読んだ、いわく
・誰でも全員持ってる
・魂や感情のカタマリの一部のようなもの
・特別なものでは無い
・死ぬほど驚いたりショックを受けると落っこちちゃう
・落ちたマブイは落とし主が同じ場所に訪ねてくるまで
そのままその場所で永久に留まる
・拾わなくても命に関わることは無いが
やはり魂の一部は抜け落ちた状態で生きることになる
自分がそれを読んだ時は鬱状態の酷い時期だったんだけど
鬱になるきっかけが入会してた勉強会での出来事だった
東京で行われた卒業記念イベントで尊敬していた先生と他の受講生から
突然吊るし上げられて「不出来な生徒」の烙印を押されたことだった
まだ十代でメンタル虚弱だったこともあって
その出来事直後は訳が解からないなりにまだ冷静で居たんだけど
東京から地元の中部圏に高速バスを利用して戻る帰途、ふいにものすごい圧迫感を感じた
じっと乗車してることにどうしても耐えきれず
予定には無かったけど日本平でバスから降りてしまった
予定も土地勘も無い場所だけどバス停の居心地が良い訳でも無いので
高速からは出ることに決めて階段を下りる
少し歩いた所で思いがけず動物園の看板を見つけて足を向けてみた
2月の動物園は閑散としてて動物も寒そうにしていたと思う
園内のリフトで高台に上がると展示館らしき建物と簡素な児童向け遊園
その裏手には茶畑が広がってて遠くかすかに海が見える
と、海を見た瞬間ガクっと何かが自分から抜け落ちた気がして
突然完全な放心状態になったようだった
そこで「マブイ」ってのが紹介されてたものを読んだ、いわく
・誰でも全員持ってる
・魂や感情のカタマリの一部のようなもの
・特別なものでは無い
・死ぬほど驚いたりショックを受けると落っこちちゃう
・落ちたマブイは落とし主が同じ場所に訪ねてくるまで
そのままその場所で永久に留まる
・拾わなくても命に関わることは無いが
やはり魂の一部は抜け落ちた状態で生きることになる
自分がそれを読んだ時は鬱状態の酷い時期だったんだけど
鬱になるきっかけが入会してた勉強会での出来事だった
東京で行われた卒業記念イベントで尊敬していた先生と他の受講生から
突然吊るし上げられて「不出来な生徒」の烙印を押されたことだった
まだ十代でメンタル虚弱だったこともあって
その出来事直後は訳が解からないなりにまだ冷静で居たんだけど
東京から地元の中部圏に高速バスを利用して戻る帰途、ふいにものすごい圧迫感を感じた
じっと乗車してることにどうしても耐えきれず
予定には無かったけど日本平でバスから降りてしまった
予定も土地勘も無い場所だけどバス停の居心地が良い訳でも無いので
高速からは出ることに決めて階段を下りる
少し歩いた所で思いがけず動物園の看板を見つけて足を向けてみた
2月の動物園は閑散としてて動物も寒そうにしていたと思う
園内のリフトで高台に上がると展示館らしき建物と簡素な児童向け遊園
その裏手には茶畑が広がってて遠くかすかに海が見える
と、海を見た瞬間ガクっと何かが自分から抜け落ちた気がして
突然完全な放心状態になったようだった
242: 本当にあった怖い名無し 2013/07/27(土) NY:AN:NY.AN ID:k2/24KgN0
そのまま薄暗くなるまで身動きも出来ない状態でベンチに座って呆けてた
リフト運転終了時刻のお知らせか何かを聞いて
ああ、そうか、出なくちゃ・・・て感じでやっと来た道を引き返した
そこから後の記憶はブツッと途切れてて気が付いたら家に帰って来ていた感じ
そして無気力で無感動な気が付くと「もう死にたい」と考えているような毎日
そのままではダメだと思うし抜け出たいのに為す術が無い
本当に死ぬことを考えて一人で夜の海まで出向いたこともあった
暗い海を死ぬかやめるかって事だけ考えて
ゴウゴウなってる黒い海面を波打ち際に立って長い時間眺めてた
そんな時期に「マブイ」の記事に出会って何かが腑に落ちた気がした
もしかしてあの高台で落ちたものってマブイじゃ無かったのか?
そんな訳でダメモトで最後の気力を振り絞って日本平の動物園に向かう
前回と違って8月の動物園は親子連れで賑わってた
「ああそうだ、こんな所だった」とぼんやり考えながらリフトで高台に上る
若干記憶違いはあるようだけど茶畑や海の見える方向は間違っていなかった
座り込んでたベンチも記憶の通りに置かれてる
賑わってる中でも裏手のひっそりしたその場所でベンチに腰掛けてみる
特別に何もこれと言った感慨は沸いてこない
ただひたすら「ものすごく懐かしい」と思っている自分を
もう一人の自分がボケーッと眺めているような感覚
ただ「ものすごく懐かしい」その気持ちそのものがひどく懐かしい
それ以上の何事も一切起こらず、閉園を待たずに外に出た
今回は自家用車で来てたので帰りがてら海に寄って駐車場で仮眠
思いがけず結構熟睡していたようで目が覚めたら外は真っ暗になってた
実はその海こそが以前自殺を考えて訪れたのと同じ場所だ
リフト運転終了時刻のお知らせか何かを聞いて
ああ、そうか、出なくちゃ・・・て感じでやっと来た道を引き返した
そこから後の記憶はブツッと途切れてて気が付いたら家に帰って来ていた感じ
そして無気力で無感動な気が付くと「もう死にたい」と考えているような毎日
そのままではダメだと思うし抜け出たいのに為す術が無い
本当に死ぬことを考えて一人で夜の海まで出向いたこともあった
暗い海を死ぬかやめるかって事だけ考えて
ゴウゴウなってる黒い海面を波打ち際に立って長い時間眺めてた
そんな時期に「マブイ」の記事に出会って何かが腑に落ちた気がした
もしかしてあの高台で落ちたものってマブイじゃ無かったのか?
そんな訳でダメモトで最後の気力を振り絞って日本平の動物園に向かう
前回と違って8月の動物園は親子連れで賑わってた
「ああそうだ、こんな所だった」とぼんやり考えながらリフトで高台に上る
若干記憶違いはあるようだけど茶畑や海の見える方向は間違っていなかった
座り込んでたベンチも記憶の通りに置かれてる
賑わってる中でも裏手のひっそりしたその場所でベンチに腰掛けてみる
特別に何もこれと言った感慨は沸いてこない
ただひたすら「ものすごく懐かしい」と思っている自分を
もう一人の自分がボケーッと眺めているような感覚
ただ「ものすごく懐かしい」その気持ちそのものがひどく懐かしい
それ以上の何事も一切起こらず、閉園を待たずに外に出た
今回は自家用車で来てたので帰りがてら海に寄って駐車場で仮眠
思いがけず結構熟睡していたようで目が覚めたら外は真っ暗になってた
実はその海こそが以前自殺を考えて訪れたのと同じ場所だ
243: 本当にあった怖い名無し 2013/07/27(土) NY:AN:NY.AN ID:k2/24KgN0
なんということもなく、それも記憶を辿るように海に出る
と一気にものすごい波の音に全身を包囲された
真っ暗な海は何も見えないのに大きくうねり動いてることを感じる
「怖い」
直観的に当たり前のようにそう感じる
その瞬間カチッとぶれてた自分が自分にはまった
理屈じゃない、ただ怖い、ひたすら怖い、めちゃくちゃ怖い
急に胸が高鳴り始めて冷や汗が吹き出す
思考と生理反応のタイムラグが一度に全部消えたような生まれて初めての感覚
「怖い」と感じてる自分は紛れも無い自分そのものだ
「ものすごく懐かしい」を感じていたのも同じ自分だ
そこからはアホのように尻尾巻いて車に逃げ帰って一目散に家に帰った
確かに前の時、夜の海に一切の恐怖を感じなかったのに何だこれは
ずっとまだドキドキして汗ばみながら
マブイを落とす、拾うというのはこういうことなのか?等と思いながら
同じ夜の海なのにこうも違う、こんなに違う
それが自分には怖いというよりも恐ろしいほどの驚きだったので書いてみた
以後、落ち込むことはよくあるけど鬱状態に陥ったことは無い
年も重ねて色々と図太くなったせいもあるだろうけど
案外鬱病はマブイとか目に見えない何かも関係してるのかも知れないと思う
おしまい
と一気にものすごい波の音に全身を包囲された
真っ暗な海は何も見えないのに大きくうねり動いてることを感じる
「怖い」
直観的に当たり前のようにそう感じる
その瞬間カチッとぶれてた自分が自分にはまった
理屈じゃない、ただ怖い、ひたすら怖い、めちゃくちゃ怖い
急に胸が高鳴り始めて冷や汗が吹き出す
思考と生理反応のタイムラグが一度に全部消えたような生まれて初めての感覚
「怖い」と感じてる自分は紛れも無い自分そのものだ
「ものすごく懐かしい」を感じていたのも同じ自分だ
そこからはアホのように尻尾巻いて車に逃げ帰って一目散に家に帰った
確かに前の時、夜の海に一切の恐怖を感じなかったのに何だこれは
ずっとまだドキドキして汗ばみながら
マブイを落とす、拾うというのはこういうことなのか?等と思いながら
同じ夜の海なのにこうも違う、こんなに違う
それが自分には怖いというよりも恐ろしいほどの驚きだったので書いてみた
以後、落ち込むことはよくあるけど鬱状態に陥ったことは無い
年も重ねて色々と図太くなったせいもあるだろうけど
案外鬱病はマブイとか目に見えない何かも関係してるのかも知れないと思う
おしまい