女房と海水浴に出かけた、確かお盆だったと思う
もう、海ではしゃいだり青春する年齢でもないので浜辺でまったりとしていた
耳に入ってくる音は波と風の音だけで、次第にうとうとし始めた
どのくらいたったんだろう・・耳になにか「場違いな声」が聞こえてきた
お坊様のお経のよう・・数名の男女がすすり泣く声・・
嘘だ!!!
目を閉じていても、だんだん近づいて来るのが解る
お坊様のお経・・ち~ん!ち~ん!と鐘の音
こんな真夏の炎天下の昼間にでるわけない!自分に言い聞かせていたのは本当の事
慌てて目を開けて振り向くと・・
お坊様を先頭に一家族と思われる男女が数名
手には線香、スナック菓子や果物やお花を持ち、ハンカチで目頭を押さえ・・
俺達を無視するような哀れむような目をしていたのが印象的だった
その家族は、海に花を投げ入れ菓子や果物も投げ入れ
お坊様のお経に手を合わせ・・涙を拭っていたんだ
俺等はその場にいる事も出来ずに退散したけど
その浜で事故か何かあったのは明白だね・・
帰りの車の中で、女房が俺に
「あんたと一緒に出掛けると必ず何か起こるね!」
そんなわけないんだけど、そうなのかな・・と
思い返す事ばかりなのは、本当かも知れない