すまん、取り乱して、つい。
日が暮れて下げ潮に入り、いよいよ潮時。
海側にはまだ雲が残っていたが、釣りをしている海岸では
雲はすっかり晴れて空には満月が顔を出した。
オレは月の光を背中に受けて釣り竿3本の竿先を見つめてた。
月明かりでケミホタルなんて全然要らないくらい。
クーラーボックスに座ったオレの影が海に向かって伸びている。
ふと海の方が明るくなった気がして、海の向こうを見たら
夜空にぼんやりと大きなアーチ型の光(?)の帯が見えた。
虹みたいにも見えるが色が無い。虹を白黒にしたらこんな感じか
そもそも夜に虹なんて出るのか、まぁ何にしてもキレイなもんだ。
そんなことを考えながら見ていたら、それは段々薄くなって
2~3分ですっかり消えてしまった。
出張が終わって実家に帰った後、親父にこの話をしたら
「あ~そりゃ夜の虹だ 島にいたとき何度か見たことある」という。
やはり昼間の虹より色が薄く、白黒で見えることもあるらしい。
「町中だと色んな灯りで夜空が明るいから見えないだろうな」とも。
後で調べたら「月虹」というらしい。
とてもきれいで、不思議な光景だったよ。
できればいつか、もう一度見てみたいと思ってる。