その日も仕事が終わってから河口近くの波止で夜釣りをしていた。
1投目、仕掛けを入れた直後から竿先が微妙に揺れるので、
大げさにアワセをくれて仕掛けをあげた。すると10cm位の赤い魚が
ぶら下がってる。お前どうやってエサを口に押し込んだんだって感じで
針に掛かってもないのにエサを咥えたまま上がってきた。アヤメエビスか?
何だか可笑しくなって魚の口からエサを外し、逃がしてやった。
しばらくプカ~ッと浮いていたが、バシャッと泳いで逃げていった。
その後仕掛けを入れたが当たりがない、飲んだビールの酔いもあって
ウトウトしてたら「ねぇ、釣れるよ」って声がして目が覚めた。
すぐに竿先の鈴が鳴って50cm強のコロダイが釣れた。
誰が声を掛けてくれたのか周りを見回すがだれもいない。
不思議に思ったが次の仕掛けを入れてまたウトウト...。
「大きいの釣れるよ」って声がしてまた目が覚めた。
すぐに竿先の鈴が鳴って、今度は60cm弱のゴマフエダイ。
やっぱり周りには誰もいない、不思議と怖い感じは全然なかった。
いるはずのない、小さな子供みたいな声なのに、何故だろうね。